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これからも真矢とともに…LUNA SEAが“約束のルナクリ”で響かせた不滅のアンサンブル

LUNA SEAのワンマンライブ「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」が3月12日に東京・有明アリーナにて開催された。

LUNA SEA「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」有明アリーナ公演の様子。

真矢の愛弟子・淳士とともにステージへ

本公演はそのタイトルからもわかるように、本来は昨年12月のクリスマスシーズンに行われる予定だったが、直前にSUGIZO(G, Violin)が交通事故により負傷し、休養が必要な状況とのことから開催が延期に。その後、今年1月24日に振替日程が決定したものの、2月17日に真矢(Dr)がこの世を去り、3月8日には神奈川・ぴあアリーナMMにて彼をしのぶ献花式が執り行われたばかりだった。

昨年11月開催の「LUNATIC FEST. 2025」にサプライズで登場した真矢は、「1曲も叩けないかもしれない、1小節だけかもしれない。でも少しでもドラムが叩きたいという夢を、みんなと共有できたら本当にうれしいです!」と今回のライブへの意気込みを口にしていた。そんな彼の無念を晴らすべく、LUNA SEAはサポートドラマーに真矢の愛弟子である淳士(Dr / SIAM SHADE)を迎え、昨年2月の「35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025-黒服限定GIG-」以来となるワンマン公演を敢行した。

LUNA SEAは決して止まらないからね

定刻を過ぎた頃、客席からクラップが自然発生すると、場内の熱気が少しずつ高まっていく。そして、暗転と同時にステージ上のスクリーンに真矢のドラムソロが映し出される。LUNA SEAのライブではおなじみとなったこの場面に、多くのオーディエンスが食い入るように見つめる中、映像の最後に「LUNA SEAは決して止まらないからね。みんな愛してるよ!」という真矢のメッセージが流れ、ステージ上に設置された2台のドラムセットのうち下手側のドラムにスポットライトが当てられた。

ありし日の真矢(Dr)のパフォーマンス映像と彼のドラムセット。
ありし日の真矢(Dr)のパフォーマンス映像と彼のドラムセット。

続いて荘厳な鐘の音に導かれるように、上手側のドラムセットに淳士に座り、LUNA SEAのメンバーもそれぞれ所定の位置に着いたところで、ライブは「UP TO YOU」でスタート。真矢への鎮魂歌のようでもあり、同時に残された4人からの決意表明のようにも響くこの曲では、中央スクリーンに真矢の演奏映像を上映しながら、ステージ上の5人はゆったりと丁寧に、1音1音を奏でていく。会場にいるすべての者が真矢へ思いを馳せながら、じっくりとこの曲に浸ったあとは「Déjàvu」でギアチェンジ。曲中、RYUICHI(Vo)とINORAN(G)、SUGIZOとJ(B)がそれぞれ背中合わせになるほか、終盤には4人が横1列に並んで歌い演奏する場面もあり、会場は早くもクライマックスのような盛り上がりを見せた。

LUNA SEAを支える真矢(Dr)の愛弟子・淳士(Dr / SIAM SHADE)。
LUNA SEAを支える真矢(Dr)の愛弟子・淳士(Dr / SIAM SHADE)。
LUNA SEA「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」有明アリーナ公演の様子。
LUNA SEA「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」有明アリーナ公演の様子。

真矢との約束を果たすために

最初のMCでは、RYUICHIが「みんな、いろんな気持ちを抱えて来てくれたと思います。俺たちもいろんなことを考えながらだけど、一番大切な真ちゃんとの約束だったから、今日はライブをやるという決断をしました」と思いを伝える場面も。また、SUGIZOは「みんな、本当にご心配とご迷惑をおかけしました。すみませんでした」と公演延期に関して謝罪する一方で、「本当は今日、盛大な“復活の狼煙”になる日だったんだけど、こういう形になってしまった……。でも、真矢もここにいるから。奴はにぎやかなのが好きだから、今日は真矢が喜ぶことをしましょう。ド派手にいきましょう!」とポジティブな言葉を観客に送った。

RYUICHI(Vo)
RYUICHI(Vo)

真矢のリズムアイデアから生まれた曲「MILLENNIUM」でパフォーマンスが再開したのを機に、ミドルヘビーな曲調に合わせてレーザーが会場中に飛び交う「Sweetest Coma Again」、真矢が原曲を手がけた「inside you」、幻想的なサウンドで観る者を別世界へと誘う「gravity」と、“終幕”直前に発表された楽曲たちが続く。さらに、感傷的なオルゴールの音色に続いて「absorb」に突入すると、このバンドらしいテクニカルなプレイと、まだまだ本調子とはいかないものの全身全霊で歌うRYUICHIのボーカルが重なり、唯一無二のグルーヴが作り上げられていく。曲終盤ではオーディエンスのシンガロングも加わり、ドラマチックさがピークに達したところでライブの前半パートは終了した。

左からSUGIZO(G)とRYUICHI(Vo)。
左からSUGIZO(G)とRYUICHI(Vo)。

「真矢ーっ!」客席から起こる盛大なコール

20分の休憩を挟んで始まった後半戦は、ステージ下手の真矢のドラムセットにスポットライトが当たり、スクリーンに今度は昨年2月の東京ドーム公演でのドラムソロが映し出される。スクリーンの中の真矢がプレイを止めるたびに、客席からは「真矢ーっ!」の叫び声が響きわたると、そんな光景を知ってか知らずか、映像の中の真矢は「もっとこいよ!」と煽ってみせる。そんな、LUNA SEAのライブでは見慣れた光景も、改めて特別な瞬間だったのだと気付かされたあとは、「Metamorphosis」にてさらに会場の熱量が高まっていくことに。その後も「G.」「IN SILENCE」と往年の人気ナンバーが連発され、会場に集まったSLAVE(LUNA SEAファンの呼称)、そしてインターネット生配信を観ている世界中のファンに向けて「I for You」が送られると、フロアは温かく優しい空気に包まれた。

左からJ(B)、INORAN(G)。
左からJ(B)、INORAN(G)。

SUGIZOのリズミカルなギターストロークに合わせて、淳士がタイトなリズムを刻み、RYUICHIが伸びやかなファルセットを重ねる「BLACK AND BLUE」を経て、「ROSIER」にてライブも佳境へ。ギターソロ直前、Jがマイクスタンドを背負い投げするおなじみの場面では、Jが「いくぞ、真矢ーっ!」と叫ぶ一幕もあり、客席の盛り上がりも急加速。INORANのリフから始まる「TONIGHT」でこの日何度目かのクライマックスを迎えたところで、ライブ本編は幕を下ろした。

RYUICHI、INORAN、SUGIZO、Jが語ったこと

観客が「きよしこの夜」を合唱しながらアンコールを待つ場面も、季節外れながら「LUNATIC X'MAS」ならではの光景だろう。ステージに戻ったメンバーは、SLAVEたちの美しい歌声に耳を傾けつつ感謝の気持ちを伝える。そして、メンバー4人が1人ずつ、真矢への思いと現在の心境を告げていった。

RYUICHIが「また今日もいろんなことがあったけど、ずっと支えてくれてたんだな、ともにいるんだなって思いました」と笑みを浮かべると、Jは「いや、絶対にいるよ。必ずどこかで見てる」と続け、「真矢くんが旅立ってから、何も手につかなくてさ。心の置きどころをずっと探してる感じ。でも、今日見つけたね。やっぱり、みんなと一緒に盛り上がるライブ、ここが俺の心の置き場所なんだなって、本当に思いました」と力強く宣言。INORANは「お笑い担当がいなくなっちゃったんで、僕が継がなくちゃいけないんですけど(笑)。精進してがんばります!」とおどけてみせる一方で、「『お前ら、最高にカッコいいぜ!』っていつも真ちゃんが言ってくれたけど、俺たちがいつまでもいつまでもバンドを続けて、ライブをやって、『お前ら、最高にカッコ悪いぜ!』って言われないようにがんばっていくので、よろしくお願いします!」と新たな決意を伝える。

J(B)
J(B)
INORAN(G)
INORAN(G)

そして、バンド内で真矢と最も付き合いの長かったSUGIZOは、「俺たちより先に行っちゃいやがってさ、冗談じゃないよ。いずれ俺たちが向こうに行ったら、まず頭をひっぱたいてやろうと思います」と口にしてから、「本当に今日はステージに立つのが怖かったです。事故もあったし、真矢もいねえし……でも、Jも言ったように、ここが俺たちの居場所で、俺たちのホームで、帰ってくる場所なんだなって。で、いつものように真矢もいます」と本音を吐露。さらに、「俺たちがこちらの世界にいる限り、真矢と一緒にこれからも全力で突っ走っていこうと思うので、引き続きともに歩んでいきましょう。そして、いずれは俺たちも君たちも向こうに行くんだから、そのうち向こうでこの続きをやりましょう。ずっと待ってくれているhideさんもいるし、HEATHもいるし、櫻井(敦司)さんもいるし。全員集めて、君たち含めて最高のショーをやるから。楽しみが増えたね」とポジティブなメッセージを告げると、会場に盛大な拍手が響きわたった。

SUGIZO(G)
SUGIZO(G)

最後の最後までLUNA SEAのドラマーとして

RYUICHIの「俺たちの旅の始まりの歌です」を合図に、「LUCA」にてアンコールが再開。真矢を含む5人が再び前へ進むことを選び、その始まりを告げる1曲に対して、会場はピースフルな空気で包まれていく。そして、客席に銀テープが勢いよく発射された「WISH」にて、ライブは大団円を迎えた。

エンディングに披露されることが多い「WISH」にて、ライブは終了するかと思われた。しかし、RYUICHIが「実は、今夜のライブに向けて、真ちゃんも準備をしてくれていました。みんなに届けたい映像があるので、観てください」と話すと、スクリーンには晩年の真矢がリハーサルでステージ上に設置されたドラムセットでの生前最後の演奏に臨む映像が流れ始める。「HOLY KNIGHT」をプレイする真矢の姿は、病魔と戦いながらも一切衰えが感じられない、堂々としたものだった。

映像が終わると、再びRYUICHIは「実は真ちゃんは原点回帰をするということで、今回(初期に使っていた)YAMAHAのドラムセットを新たに制作していただいていて。リハーサルでも『今までと全然変わんないじゃん』ってドラムを叩いてくれてました」と今日までの流れを伝える。そして、「そんな真ちゃんの思いを乗せて、愛を込めて、最後に有明に集まってくれたみんなにこの曲を送ります」のメッセージとともに、ラストナンバー「HOLY KNIGHT」をエモーショナルに表現し、全17曲におよぶステージを終えた。

LUNA SEA「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」有明アリーナ公演の様子。
LUNA SEA「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」有明アリーナ公演の様子。

演奏がすべて終わると、5月29日のバンド結成日に故郷・秦野から始まる新たな全国ツアー「LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-」を、真矢を含む新たなアーティスト写真とともにサプライズ発表。そして、「今年は真矢くんと一緒に、全国のみんなのもとに行きます。必ず想像を超える、リミットを超える瞬間を届けたいと思います」と新たな決意を告げて、メンバーはステージをあとにした。

セットリスト

「LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」2026年3月12日 有明アリーナ

01. UP TO YOU
02. Déjàvu
03. MILLENNIUM
04. Sweetest Coma Again
05. inside you
06. gravity
07. absorb
08. Metamorphosis
09. G.
10. IN SILENCE
11. I for You
12. BLACK AND BLUE
13. ROSIER
14. TONIGHT
<アンコール>
15. LUCA
16. WISH
17. HOLY KNIGHT

※記事初出時より一部表現を変更いたしました。

提供元:音楽ナタリー