松任谷由実が月面でゆっくりと起き上がる…新曲「DARK MOON」MVの一部公開
松任谷由実が11月18日にリリースする通算40枚目のオリジナルアルバム「Wormhole / Yumi AraI」。本作の収録曲より新曲「DARK MOON」のミュージックビデオのティザー映像がYouTubeで公開された。


「DARK MOON」は「Wormhole / Yumi AraI」の1曲目に収録される、このアルバムを象徴するナンバー。“新たな自分”と出会う旅の始まりを壮大に歌った楽曲で、混沌とした世界において強く生きることの意味を問いかけ、聴き手に寄り添いながらともに模索していこうとするユーミンの強い意志が描かれている。
ティザー映像には月面に設置されたCTスキャンの装置からゆっくりと起き上がるユーミンの姿が収められている。「意識とは何か?」「AIと人間の共生とは?」をアルバムのテーマとして掲げる中、ユーミンは撮影を通じて「強く、生きよ!」という今一番伝えたいメッセージが自分の中に浮かんでくるのを感じたという。このMVは即興的に撮影された点も大きな特徴で、通常のMV制作における緻密な撮影準備を経ず、アルバムのブックレット撮影の合間に記録された素材をもとに編集された。サイケデリックなエフェクトは撮影時にアナログな手法によって加えられ、映像の粗い質感は“Hi8”と呼ばれる1990年代のビンテージビデオカメラを用いて表現されたもの。あえてフィジカルかつアナログ的なアプローチでMVを制作することで、“時空を超えた新旧の混在”というアルバムのコンセプトが視覚的に表現されている。

またアルバムのジャケットアートワークも公開された。このジャケットでは「Wormhole(ワームホール)」という目に見えない現象をフィジカルなデザインで表現。宇宙空間に浮遊する“Yマーク”をただの平面デザインではなく、奥行きを感じさせるビジュアルとして提示している。その発想の原点となったのが、1989年に発表されたユーミンのアルバム「Delight Slight Light KISS」。本作では日本で初めてレンチキュラーレンズを使用し、見る角度で絵柄や立体感が変わる画期的なジャケットを実現させた。「当時の衝撃を2025年の技術と感覚でアップデートできないか?」という発想から、「Wormhole / Yumi AraI」のジャケット制作がスタート。レンチキュラー技術を使った3Dバージョンのジャケットを制作し、そこから2D版に落とし込むというアプローチが用いられた。
提供元:音楽ナタリー