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「Building a Global Music Ecosystem:CEIPAが目指す国際的な音楽エコシステムの構築 -『人づくり』『場づくり』」、CUEWイベントレポート

4月10日に東京・渋谷パルコDGビルにて開催された「CUEW Showcase & Conference」のカンファレンスの一環として、「Building a Global Music Ecosystem:CEIPAが目指す国際的な音楽エコシステムの構築 -『人づくり』『場づくり』(Presented by CEIPA)」のセッションが実施された。本セッションではCEIPAおよび「MUSIC WAY PROJECT」の枠組みを紹介するとともに、「人づくり」「場づくり」の観点から、グローバルな音楽エコシステムの実現に向けた展望についてのトークセッションが行われ、多くの参加者が耳を傾けた。

セッションは、熊部太郎氏(CEIPA Music Awards Japan 実行委員会エグゼクティブディレクター)の挨拶でスタート。日本の音楽と文化をグローバルに拡張することを目的としたCEIPAの概要や、TOYOTA GROUPとの共創プロジェクト「MUSIC WAY PROJECT」について説明が行われた。続いて鬼頭武也氏(Google YouTube、Head of Music Japan)の進行のもと、「MUSIC WAY PROJECT」の取り組みである「人づくり」と「場づくり」をテーマに、それぞれをリードする増田雅子氏(The Orchard Japan, Senior Vice President)と野本晶氏(日本コロムビアグループ株式会社 執行役員)によるトークセッションが展開された。

増田氏はまず「人づくり」の一環として昨年にスタートした「Professional Seminar」について説明。同企画は韓国、タイ、インドネシア、中華圏、欧米といった地域をテーマに計5回開催され、各地域の音楽業界で活躍するゲストを講師として招いてきた。この取り組みついて増田氏は「仲間を増やす」という目的を掲げていると語った。一方、野本氏は「場づくり」の取り組みとして、昨年北米で開催され、Ado、新しい学校のリーダーズ、YOASOBIが出演した「matsuri '25」や音楽カンファレンス「ennichi '25」、業界関係者が集う交流会について紹介。ショーケースライブと併催することで、現地の音楽業界関係者に日本のアーティストのパフォーマンスを直接届ける機会を作る狙いがあると説明し、こうした関係の構築は短期間で実現するものではなく、2年、3年と継続することで生まれるものであり、「友達を何人作れるかというミッション」だと強調した。

日本の音楽業界にこれまで不足していた点について問われると、増田氏はYOASOBIの海外展開に携わった経験に言及。現地で最適なパートナーを見つけ関係を構築するまでに3、4年を要したことを挙げ、業界全体で情報共有が進んでいれば、より効率的に展開できた可能性があると振り返った。そのうえで、本エデュケーションプログラムがそうした課題を解決する場になるとの見解を示す。また「場づくり」の観点から野本氏は、海外マーケットは「難しい(difficult)」のではなく「違う(different)」ものであると理解することが重要だと指摘。国ごとに文化や音楽が異なる中で、その違いを学ぶことで可能性は広がるとし、取り組みを継続する重要性を説明した。今後については、政治的に難しい側面もある中国や、最終目標と位置付けるアメリカへの展開にも意欲を示した。セッションの最後には熊部氏が、日本はもはや閉じた市場ではないと述べ、世界と開かれた信頼関係を築いていきたいと語った。