「MUSIC AWARDS JAPAN -Deep Insights-」第7回、JESSICA(午前0時のプリンセス)がプロ目線で紐解く日本のダンス&ボーカル界の最前線
国内最大規模の音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」。音楽業界の主要5団体(日本レコード協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽出版社協会、コンサートプロモーターズ協会)が設立した一般社団法人カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)の主催により、「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」をコンセプトに掲げて2025年に新設された。
2年目となる今年は、6月13日に東京・TOYOTA ARENA TOKYOで授賞式が開催される。昨年より規模を拡大し、主要6部門(最優秀楽曲賞、最優秀アーティスト賞、最優秀ニュー・アーティスト賞、最優秀アルバム賞、Best Global Hit from Japan、最優秀アジア楽曲賞)を含む全77部門が設けられた。
授賞式に先駆け、MUSIC AWARDS JAPAN / CEIPAのYouTube公式チャンネルでは番組「OTOMO presents MUSIC AWARDS JAPAN -Deep Insights-」を配信中。「今、音楽シーンでは何が起こっているのか?」をテーマに、MCを務めるハリー杉山が毎回異なる有識者をゲストに招いて各音楽ジャンルの“現在”を解き明かすトーク番組だ。
ノミネート10作品のうち半数がHANA

ゲストにJESSICA(午前0時のプリンセス)を迎え、「最優秀ダンス&ボーカル楽曲賞」「最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞」「最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞」にスポットを当てた今回。このうち「最優秀ダンス&ボーカル楽曲賞」において、ノミネート10作品のうち半数に相当する5作品をHANAが占めることについて、ハリーが「ダブルノミネートとかトリプルノミネートじゃないのよ。なんて言うの? ファイブノミネート?」と一般的な呼称が存在しないほど異例の事態であることに触れたほか、2人は「あるんですか? 日本にこんなことは」「こんな歴史ないと思いますよ。世界的にも」と異口同音に畏敬の念を口にした。
このノミネートが示すように、HANAは現代日本のダンス&ボーカルシーンにおいて圧倒的な影響力を有する存在。グループ結成に際して行われたオーディション番組「No No Girls」から熱心に追ってきたというJESSICAは、現メンバーのNAOKOをはじめ、自身がインストラクターを務めるダンス教室の生徒が複数参加していた縁もあり当初から注目していたそう。「生徒さんがいるからとかじゃなくて、全員のことが大好きで。ファンとして見させてもらってる」と、今では純粋にHANAの活躍を楽しんでいるようだ。
そんなHANAの魅力は「ダンスも歌も全員が主人公。圧倒的でハイレベル」であるところだと熱弁するJESSICA。キーワードとして「自分らしさ」を挙げ、「自分のことをちゃんと知って、パフォーマンスとして表現できる。彼女たちは強すぎる」と絶賛が止まらない。中でも「Blue Jeans」における「バチバチに踊ってくる感じなのかと思いきやペアダンスで見せてきて、1個の映画を観ている気分」にさせられたという振付や、「NON STOP」における、手数が多いうえに“キレ”と“抜き”が同居する高難度ダンスを特記事項としてチョイス。後者については実演も交えながら、「これをやりながら歌ってるんですよ。怖くないですか?(笑)」と彼女たちの異才を強調した。

すごいと感じるコレオグラファーは?
同賞にはほかにXG、Number_i、Da-iCE、BE:FIRSTの作品がノミネートされている。このうちXG「GALA」について、JESSICAは「ホンマにムズいんですよ、振付が」と力説。「サビがウォーキングなんですね。こっち行ってハッ! こっち行ってハッ!みたいな感じなんですけど、いやあれカッコよくできる?って」と目を丸くさせ、そのダンスが世界に驚きを与えている現状を「自分がやってるわけじゃないのに誇らしくなる(笑)」と笑みを浮かべる。また、ノミネート外での注目アーティストを問われた彼女はMAZZELとTravis Japanを挙げ、「バラエティで活躍されているアーティストさんやグループが注目されていくんじゃないかな」との展望を述べた。
ハリーから「コレオグラファー的にすごいと感じる同業者は?」との質問が飛ぶと、JESSICAは真っ先にs**t kingzの名前を挙げる。「全員知ってる、というところがすごくないですか? ダンサーじゃない方々にも知られていて、コレオグラファーという言葉をシッキンさんで認知された方も多かったんじゃないかなと思っていて」と感服。これを受けてハリーが「MAJに『ベストコレオグラフィー』のような新しい部門があっても面白い気がします」とのアイデアを立案すると、彼女は「それ欲しい! 私も狙いたいぐらい(笑)。やっぱり“生み続ける”ことにはすごい苦悩がありますから」と言葉に熱を込めた。

楽曲と振付が「どれだけ合致できるか」
続いて、「最優秀ダンス&ボーカル楽曲賞」に比較的近いカテゴリであるアイドルカルチャー部門の話題に。「最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞」にはtimelesz、King & Prince、DOMOTO、M!LK、Snow Manの楽曲がノミネートされているが、2人は「イイじゃん」と「好きすぎて滅!」でダブルノミネートを果たしたM!LKに着目。この2曲を「“バズってる”ぐらいじゃなくて“鬼バズり”」と表現したJESSICAは、手だけを使って簡単にマネできるキャッチーな振付がその大きな要因のひとつではないかと推測する。
また、King & Prince「Theater」の振付難度は特筆に値するといい、手数の少ない表現だからこそごまかしが利かない振付になっていると分析。「振り数が多いものももちろん難しいんですけど、ちょっとしたグルーヴ感などはやはり“やっている人”じゃないと出せない。これはマネしやすいと思いきや、めっちゃムズいやつやで!」と熱弁を振るう。ほかにもtimelesz「Rock this Party」などのノミネート楽曲に触れながら、ダンスパフォーマンスのみならず楽曲と振付が「どれだけ合致できるか」が最も重要な点である、という根本的な視点も改めて口にした。
AiScReam、FRUITS ZIPPER、CUTIE STREET、=LOVE、Juice=Juiceの作品がノミネートされた「最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞」に関しては、2人はまずAiScReam「愛♡スクリ~ム!」をピックアップ。アメリカ・ロサンゼルスでのバス移動の際に車内で同曲が流される場面に遭遇したというJESSICAは、「全員が日本語で歌ってるんですよ。やっぱり曲って海を越える。どこまでも」と音楽の持つボーダーレス性を改めて思い知ったそう。また、「はちゃめちゃわちゃライフ!」「かがみ」の2曲がノミネートされたFRUITS ZIPPERにも言及し、「すぐに覚えられてすぐに楽しめる振り」をコンスタントに作り出すコレオグラファーの手腕を高く評価した。
今後、MAJがより発展していくことで「ダンスやパフォーマンスが、国内にとどまらず国外にまで広まること、見つかることを期待しています」というJESSICA。「すでにそれは形になっていると思うんですけども」と指摘するハリーに対し、「もっともっと欲張りたい!」と語気を強めた彼女は、「すごい人たちが山ほどいるじゃないですか。もう、日本のアーティスト全員が知られてほしい」と目を輝かせた。
