REPORTS

NEW

国内外のアーティストやクリエイターが参加したコライティングキャンプ「SONG BRIDGE 2026-」新たな試み“ヨット・セッション”の模様をレポート

国内外のクリエイターやプロデューサー、アーティストが集い、共同で作曲セッションを行うコライティングキャンプ「CEIPA x TOYOTA GROUP "MUSIC WAY PROJECT" Global Co-writing Camp -SONG BRIDGE 2026-」が、6月9日から11日にかけて都内を中心とする複数カ所で同時多発的に行われた。

一般社団法人カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)とTOYOTA GROUPによる共創プロジェクト「MUSIC WAY PROJECT」の一環として、昨年6月に京都で初開催された「SONG BRIDGE」。3度目の開催となる今回は、東京・渋谷および青山エリアを中心に設けられた計8つのスタジオにおいて、国内外から招聘された約40組のアーティストやクリエイターが創造的なセッションを繰り広げた。

本セッションには、先般授賞式が行われた国内最大級の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」で最優秀アジア楽曲賞にノミネートされたフィリピンのロックバンド・Cup of Joeや、Indonesian Popular Music特別賞を受賞したHindia、タイのヒップホップシーンを牽引するSARAN、シンガポールの次世代シンガー・Shye、世界的に活躍するアメリカのR&Bアーティスト・UMIら海外アーティストに加え、日本からは曽我部恵一、(sic)boy、PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE、由薫、清水美依紗らが参加。さらに、her0ism、MONJOE、Yael Naim、Neil Ormandy、Taka Perryをはじめとする国内外の著名クリエイター陣も名を連ねている。

各日8チーム(最終日のみ7チーム)が編成され、それぞれが1日限りの作曲セッションを実施。各チームにはアーティスト、サウンドプロデューサー、トップライナーなどがバランスよく振り分けられ、“そのアーティストが歌う楽曲”をテーマにイチから楽曲制作に臨む。参加者は午前中に集合して顔合わせを行い、夕方頃までにある程度のデモ音源を形にすることを目指す。その日初めて顔を合わせる関係性の参加者も多い中で、いかに互いのクリエイティビティを遺憾なく発揮し合えるかがカギとなる。

基本的にすべてのセッションが都内の常設スタジオで行われた中で、今回は新たな取り組みとして“ヨット・セッション”なる特別枠も設けられた。神奈川・横浜ベイサイドマリーナに用意されたLEXUSのラグジュアリーヨットで船上セッションを行うというもので、全日程のうち1枠のみでこの試みを実施。このセッションに参加したのは、PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEのJIMMYとWEESA、プロデューサーを務めたMONJOEと松本京介(KYOSK)、トップライナーのNeil Ormandyだ。

彼らはまず、セッション開始前に約1時間のクルージングを堪能。当日はあいにくの曇天となったものの、水しぶきを上げて東京湾を疾走するヨットのデッキで潮風や波音をその身に感じながら、大いにインスピレーションを刺激されたようだ。その後、港に停泊した船内にモニタスピーカーやミキサー、楽器などの機材が運び込まれ、大きな窓から一面に広がる海を一望できるコンフォートな船室に即席スタジオが完成。セッション全体の指揮を執るMONJOEがPC前に陣取り、その両サイドを取り囲むように松本とNeilが、後方のベンチソファにJIMMYとWEESAが収まった。

 

この瞬間を待ちわびていたとばかりに、先ほどのクルージングですっかり打ち解けた様子の5人はさっそく作業を開始。リファレンス楽曲を全員で参照しながら、MONJOEがベースとなるリズムパターンを組み立てていき、そこに松本がアコースティックギターのカッティングでハーモニーを加え、ほか3人はプレイバックされるビートに身を委ねて思い思いに体を揺らしてハミングする。少しずつ、しかし着実に5人のイメージは1つのゴールへ向けて照準を合わせ始めたようだ。

セッションは順調に進み、夕方にはデモが完成。めったにないシチュエーションだけに、5人は口をそろえてその特別感を口にする。MONJOEは「潮風や波のリズムに身を委ねながら、PSYCHIC FEVERと音を紡いだ時間はとても特別でした。ヨットの揺れや海の開放感が自然と楽曲に溶け込み、新しい発想を与えてくれた気がします」と感慨を語り、Neilは「ソングライターにとって、いつもと制作環境が変わるのはとてもよいこと。今回は本当に最高でした!」と本企画を絶賛。松本は「ラグジュアリーな船内でギターを弾いたのも貴重な経験です」と振り返り、PSYCHIC FEVERの2人も「海の上でカッコいい船に乗りながらセッションするのは、テンションが上がりました!」と無邪気な喜びを表明した。

完成したデモについて、WEESAは「キャッチーでみんなが歌いたくなるような曲」、JIMMYは「PSYCHIC FEVERっぽさもありつつ、従来にはなかったサウンド」と評し、Neilは「今後ボーカルをしっかりレコーディングしたら、絶対にいいものになるはずです」と手応え十分だ。松本は「船のラグジュアリーさとクルージングのグルーヴで、アーバンな楽曲が仕上がった」と自信をのぞかせ、さらに「ヨットでのミュージックビデオが仕上がれば最高だと思うので、そちらも楽しみです」と映像展開への期待も語った。

また、MONJOEは本デモについて次のように詳細に総括。「海の上で変化していく景色を眺めながらの制作だったせいか、偶然性と必然性が交差する瞬間を捉えた、生命力を持った作品になったと思います。制作の出発点は、Justin Timberlakeのような普遍的なグルーヴへの参照でした。過去の名作が持つ身体性を現代的な感覚で再解釈する──そんな温故知新的な試みも、この楽曲の魅力の1つになっています」と、言葉に充実感をにじませた。

 

取材・文 / ナカニシキュウ