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日本の音楽シーンの記録を塗り替え続けるYOASOBI|「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」主要部門ノミネートアーティストを解説

音楽業界の主要5団体が垣根を越えて設立した、一般社団法⼈カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)による国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」(MAJ)。この新たな音楽アワードの記念すべき第1回の授賞式が、いよいよ5月21日と22日に京都・ロームシアター京都で行われる。

先日一挙に発表された「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」のノミネート作品 / アーティスト。MAJの公式メディアOTOMOでは授賞式の開催に向け、主要部門のうち最優秀楽曲賞、最優秀アーティスト賞、最優秀アルバム賞にノミネートされたアーティストや作品をピックアップし、その特長を紹介していく。この記事では最優秀楽曲賞(「アイドル」)や最優秀アーティスト賞に名を連ねたYOASOBIをフィーチャーする。

文 / 岸野恵加

 

YOASOBIは2019年に結成されるやいなや、デビュー曲「夜に駆ける」が破竹の勢いで大ヒットし、累計再生回数が現在までに11億回(Billboard JAPANチャート)を突破。その後もヒット曲を次々に放ち、日本の音楽シーンの記録を塗り替え続けている2人組ユニットである。

 “小説を音楽にするユニット”をコンセプトとする YOASOBI。コンポーザーのAyaseは原作小説を深く咀嚼して、そのテーマを類まれなセンスで極上のポップソングに昇華する。そしてボーカルのikuraは、透き通るような美しい歌声の持ち主。Ayaseはボーカロイドを使用して作曲を行うため、生身の人間が歌うには難度の高いメロディラインも多いが、ikuraはそれを圧倒的な歌唱力で歌いこなす。2人はそれぞれソロアーティストとしても活躍中だ(ikuraは幾田りら名義)。

「MUSIC AWARDS JAPAN」で「最優秀楽曲賞」「Top Global Hit From Japan」にノミネートされた「アイドル」は、TVアニメ「【推しの子】」のOP主題歌。作中に登場する“完璧で究極のアイドル”星野アイの物語を、めまぐるしい曲構成で見事に描き切り、米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S. ”で1位を獲得するなど、前人未踏のヒットを記録した。TikTokでのダンスチャレンジも流行し、2023年末の「NHK紅白歌合戦」では、乃木坂46やMISAMO、SEVENTEEN、Stray Kids、LE SSERAFIM、NewJeans、JO1、BE:FIRSTなど、国境も事務所の壁も越えてアイドルが集合した豪華なステージが話題を集めた。

YOASOBIは2023年に初めてアジアツアーを開催。2024年にはアメリカで単独公演を行い、アメリカの大手エージェンシー・Creative Artists Agencyと契約した。「Coachella Valley Music and Arts Festival 2024」や「Lollapalooza 2024」など、世界の大型フェスにも引っ張りだこだ。2024年秋には、結成5周年を記念して単独としては初となる東京・大阪でのドームライブも行った。トップアーティストとして国内外で邁進し続けるYOASOBIは、今後もエンタテインメント界を牽引する存在となるだろう。