日本のヒップホップのアイコンであり、先端的な存在のCreepy Nuts|「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」主要部門ノミネートアーティストを解説
音楽業界の主要5団体が垣根を越えて設立した、一般社団法⼈カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)による国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」(MAJ)。この新たな音楽アワードの記念すべき第1回の授賞式が、いよいよ5月21日と22日に京都・ロームシアター京都で行われる。
先日一挙に発表された「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」のノミネート作品 / アーティスト。MAJの公式メディアOTOMOでは授賞式の開催に向け、主要部門のうち最優秀楽曲賞、最優秀アーティスト賞、最優秀アルバム賞にノミネートされたアーティストや作品をピックアップし、その特長を紹介していく。この記事では最優秀アーティスト賞や最優秀楽曲賞(「Bling-Bang-Bang-Born」)に名を連ねたCreepy Nutsをフィーチャーする。
文 / 高木“JET”晋一郎
Creepy Nutsは「最優秀楽曲賞」「最優秀アーティスト賞」「最優秀国内ヒップホップ/ラップアーティスト賞」など、「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」の計15部門にノミネートされた。日本のフリースタイルシーンの中でも最高峰と言われる全国的なMCバトルイベント「ULTIMATE MC BATTLE」で3年連続の全国制覇を果たしたR-指定、2019年に世界的なDJバトルイベント「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS」にて世界制覇を果たしたDJ松永。2人がこのヒップホップユニットを結成したのは2013年のことだ。インディーズでリリースされた「合法的トビ方ノススメ」のヒットや、パーソナリティを務めたラジオ番組「オールナイトニッポン」での軽妙なトークなどで注目度を高めていった。
2017年にメジャーデビューを果たすと、R-指定の巧みな言葉選び、複雑なライミング、ラップの構成、DJ松永のバラエティ豊かなトラックメイクがさらに開花。「のびしろ」や「堕天」がポップシーンでも人気を集め、「ROCK IN JAPAN」などの大型フェスにメインアクトとして出演を果たすなど、音楽シーンの中心へと躍り出た。
そして2024年にリリースされた「Bling-Bang-Bang-Born」は、世界的潮流である“JERSEY CLUB”のビートを取り入れたDJ松永のサウンドと、R-指定による意味性と聴感の両面を刺激するラップが特徴のナンバー。アニメ「マッシュル-MASHLE-」のキャラクターが踊る“BBBBダンス”との相乗効果によって、YouTubeやTikTokなどの映像プラットフォームでも人気を集め、世界的なバイラルヒットに。「Billboard Global 200」で週間8位を獲得するなど、Creepy Nutsは名実ともに日本のヒップホップアーティストとして世界で名を高めた。その評価はMAJにおいて「Top Japanese Song」の「Asia」「Europe」「North America」「Latin America」の4部門にもノミネートされたことにも表れている。
さらにドジャースタジアムでのパフォーマンスなど、海外でのライブに加えて、2025年には東京ドームで単独公演も実現。新奇性の高いアプローチで構成された最新アルバム「LEGION」からも感じ取れるように、彼らは日本のヒップホップのアイコンであり、先端的な存在だ。